クローン病とは

クローン病は、炎症性腸疾患の1つ。口から肛(こう)門までの消化管のどこにでも炎症・かいようができる。それも全層性に起こり、激しい腹痛、下痢が続く。

カプセル内視鏡検査とは(2007年時点)

2007年5月に健康保険の適用となった検査。電池と内視鏡が内蔵された、ビタミン剤程度の大きさの使い捨てカプセルを飲む。小腸内を1秒間に2コマ撮影し続け、情報は患者の腰のボックスに収集され、その情報を解析すると小腸のどのあたりで出血しているかが分かる。狭窄(きょうさく)しているケースでは使われない。

小腸検査の有名な専門医師

竹中一央

竹中一央:会津医療センター、獨協医科大学



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飲むだけ内視鏡カプセルに関するニュース記事の一覧です。大腸がん、クローン病の検査に使われています。製造元のギブン・イメージング社が2013年11月に販売を開始。2014年から健康保険の診療で使えるようになりました。(リトリート編集部)

大腸カプセル内視鏡、国内で承認 がんの早期発見・治療に期待 飲むだけ、体の負担少なく

2013年9月20日、信濃毎日新聞

大腸カプセル内視鏡が国内で承認、販売開始

飲み込んだカプセルが大腸の中を流れていく間に、内側の粘膜を連続撮影してポリープなどの病変を見つける―。こんな仕組みの大腸カプセル内視鏡が国内で承認された。製造元のギブン・イメージング社が2013年11月に販売を始め、2014年初めには公的な保険診療で使える見通し。患者はカプセルを飲むだけで大腸の診断を受けることができる。従来の内視鏡より医療費は高くなるが、体の負担は少ない。

水と一緒に飲み込める

カプセル内視鏡は、長さ31・5ミリ、直径11・6ミリ、重さは2・9グラム。水と一緒に飲み込める。両端にカメラがあり、消化管に入って、光を照射しながら撮影。長さ1・5~2メートル、直径5~7センチの大腸を流れ下るまでの約10時間にわたり、1秒に4~35枚を撮って、患者が装着する記録装置に無線で送信する。画像データをコンピューターで処理すれば、専門医は大腸内のビデオを1時間ほどで読影できる。0・1ミリの異変まで検出可能だという。

イスラエル製だが部品の多くは日本製

イスラエル製だが、内蔵する電池やレンズなど、日本製の部品が数多く使われている。来日したギブン・イメージング社最高経営責任者(CEO)のホミ・シャミール氏は「日本で2007年から販売している小腸用のカプセル内視鏡と比べると承認は早かった」と話す。

対象の患者

対象の患者は、大腸の内視鏡検査が必要とされながら、何らかの事情で、従来の内視鏡では検査ができない18歳以上の人。便の潜血などを調べる検診で陽性と判定されて精密検査が必要な場合、カプセル内視鏡も選択肢となる。

女性のがんの死因では最も多い

日本の大腸がん患者は年々増え、年間の死亡者数は4万人を超えている。女性のがんの死因では最も多く、男性を含めた全体でも肺がん、胃がんに次ぐ。40歳以上には、大腸がん検診が推奨されているが、4人に1人しか受けていないのが実情だ。

大腸内視鏡で検査を受けない人が4割以上

また、検診で精密検査が必要とされても、大腸内視鏡で検査を受けない人が4割以上に達する。肛門から入れる内視鏡を「恥ずかしい」「痛くてつらそう」といった理由で受けない人も多い。日本カプセル内視鏡学会理事長の寺野彰・独協学園理事長は「内視鏡を嫌う人たちに対して、大腸がんの早期発見、治療に貢献する」と期待する。

国内での臨床試験(治験)

国内での臨床試験(治験)は、内視鏡で大腸がんの治療が必要と診断された患者66人(平均60歳)を対象に、国立がん研究センター中央病院、東京慈恵医大病院、広島大病院で実施。94%にあたる62人の患者で病変を検出できた。

田中信治・広島大教授

治験に関わった田中信治・広島大教授(内視鏡医学)は「成績は良かった。カプセルは精密検査に使える」と説明。「(ポリープの)切除もできる大腸内視鏡があくまで基本だが、どうすみ分けるかは課題だ」と話す。

NPO法人「女性を大腸がんから守る会」

NPO法人「女性を大腸がんから守る会」の斎藤かりん理事長も「大腸内視鏡に抵抗感を抱く女性は多い。受診が楽なカプセルは女性も受け入れやすい」と歓迎する。

寺野理事長は「読影能力のない施設が行うのは問題がある。学会は世界初のカプセル内視鏡認定医制度などもつくった。しっかりした施設で扱うようにしたい」と語った。



飲むだけでがん診断 大腸カプセル内視鏡を初承認 早期発見・治療に期待 内部を連続撮影、無線送信

2013年10月18日、新潟日報

体の負担が少ない大腸カプセル内視鏡

飲み込んだカプセルが大腸の中を流れていく間に、内側の粘膜を連続撮影してポリープなどを見つける。こうした大腸カプセル内視鏡が国内で初めて承認された。製造元のギブン・イメージング社が2013年11月に販売を始め、2014年初めには公的な保険診療で使える見通し。患者はカプセルを飲むだけで大腸の診断を受けることができる。内視鏡より医療費は高くなるが、体の負担は少ない。

両端にカメラ、記録装置に無線で送信

長さ31・5ミリ、直径11・6ミリ、2・9グラムのカプセルで水と一緒に飲み込める。両端にカメラがあり、消化管に入って光を照射しながら撮影する。

長さ1・5~2メートル、直径5~7センチの大腸を流れ下るまでの約10時間にわたり、1秒に4~35枚撮り、患者が装着する記録装置に無線で送信する。

0.1ミリの異変まで検出可能

コンピューターで処理すれば、専門医は大腸内のビデオを1時間ほどで読影できる。0・1ミリの異変まで検出可能だ。

革新的な医療技術

イスラエル製だが、内蔵する電池やレンズなど日本製の部品が数多く使われている。来日したギブン・イメージング社の最高経営責任者(CEO)ホミ・シャミール氏は「日本で2007年から販売している小腸用のカプセル内視鏡と比べると承認は早かった。革新的な医療技術を評価してもらった」と話した。

18歳以上の人が対象

大腸内視鏡の検査が必要だが、何らかの事情でその検査ができない18歳以上の人が対象。便の潜血などを調べる検診で陽性と判定されて精密検査が必要な場合、カプセル内視鏡も選択肢となる。

大腸がん検診4人に1人しか受けておらず

日本で大腸がんは年々増えて死亡数は4万人を超え、女性のがんの死因では最も多い。40歳以上には、大腸がん検診が推奨されているが、4人に1人しか受けていない。

「恥ずかしい」「痛くてつらそう」

検診で精密検査が必要とされても、大腸内視鏡で検査を受けない人は4割以上に達する。肛門から入れる内視鏡を「恥ずかしい」「痛くてつらそう」といった理由で受けない人も多い。

カプセルは女性も受け入れやすい

NPO法人「女性を大腸がんから守る会」の斎藤かりん理事長も「大腸内視鏡に抵抗感を抱く女性は多い。受診が楽なカプセルは女性も受け入れやすい」と歓迎する。

国内の臨床試験(治験)

国内の臨床試験(治験)は、内視鏡で大腸がんの治療が必要と診断された患者66人(平均60歳)を対象に国立がん研究センター中央病院、東京慈恵医大病院、広島大病院で実施。94%の62人の患者で病変を検出できた。

どうすみ分けるかは課題

治験に関わった田中信治広島大教授(内視鏡医学)は「成績は良かった。カプセルは精密検査に使える。切除もできる大腸内視鏡があくまで基本だが、どうすみ分けるかは課題だ」と指摘する。

早期発見、治療に貢献する

日本カプセル内視鏡学会理事長の寺野彰・独協学園理事長は「内視鏡を嫌う人たちに対して、大腸がん早期発見、治療に貢献する」と期待。「学会は世界初のカプセル内視鏡認定医制度などもつくった。しっかりした施設で扱うようにしたい」と語る。



「飲むだけ」検査、大腸でも カプセル内視鏡、2014年1月から保険対象 【名古屋】

2013年11月20日、朝日新聞

「飲むだけ」のカプセル内視鏡

「飲むだけ」のカプセル内視鏡で大腸のがんを探す検査が、2014年1月から公的医療保険の対象になる。大腸がんは、がんの死因の上位だが、「恥ずかしい」などの理由で検診の受診率が低い。受診を促し、早期発見につなげるのがねらいだ。

藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)

藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では保険適用に先駆けて、2013年11月7日からこの検査を始めている。

検査内容

検査は、長さ3・1センチ、直径1・1センチのカプセル型の内視鏡をのみ込む。2台の小型カメラとLEDライト、バッテリーが内蔵されており、1秒間に最大35枚の画像が撮影できる。データは随時、受診者が肩から提げたレコーダーに送信される。数時間後、カプセルは便として排泄(はいせつ)される。

利点

肛門(こうもん)から細長い管を入れる従来の内視鏡検査と比べると、痛みと心理的負担がないことが利点だ。

小腸用は2007年に保険適用

カプセル内視鏡は、小腸用が2007年に保険適用されている。大腸用は7月に国が製造販売を承認。厚生労働省の協議会が11月6日、2014年1月からの保険適用をスピード承認した。カプセルの価格は8万3100円。ここに検査費用が加わり、3割負担なら1回数万円で受けられる見通し。

弱点

ただ、従来の内視鏡と違い、検査中に病変が見つかってもその場で治療できない弱点もある。

女性のがんによる死因の1位は大腸がん

厚生労働省の2012年の統計では、女性のがんによる死因の1位は大腸がん。男性も肺、胃に続く3位が大腸だ。年間の死者は計約4万7千人。一方、便の鮮血検査の受診率は男女ともに3割に満たない(40歳以上)。検診で陽性でも、従来の検査方法に抵抗が強く、内視鏡などの精密検査を受けない人も多いという。

全国に先駆けて検査を導入

藤田保健病院は11月、全国に先駆けてこの検査を導入した。消化管内科の大宮直木准教授は「大腸がんは自覚症状がなく、進行してから見つかる人が多い。早期発見、早期治療のためにも検診、検査を受けて欲しい」と話す。予約は平日午前9時~午後5時、消化管内科医局。

東海地方では、名古屋大病院、国立病院機構名古屋医療センターなども導入を検討している。



能登初、飲むだけで大腸検査 石川県七尾市の恵寿総合病院 カプセル内視鏡導入

2014年5月9日、北國新聞

石川県の恵寿総合病院、大腸用のカプセル内視鏡を導入

石川県七尾市の恵寿総合病院は2014年5月8日までに、大腸用のカプセル内視鏡を導入した。能登地区の病院で初となる。カプセル状の小さな内視鏡を飲むだけで検査でき、肛門から細長い管を入れる従来の内視鏡よりも受診者の負担を軽減できる。

小型カメラと発光ダイオード内蔵

カプセル内視鏡は長さ31・5ミリ、幅11・6ミリで、両端に小型カメラと発光ダイオード(LED)ライトが内蔵されている。1秒間に最大35枚の画像を撮影し、受診者が携帯する受信機に画像が自動で送られる。撮影後に排せつされる。

渕﨑宇一郎内視鏡部長

渕﨑宇一郎内視鏡部長によると、大腸の内視鏡検査は恥ずかしさもあり、特に女性の受診率が伸びていない。渕﨑部長は「飲むだけなら女性も気軽に受診でき、がんの早期発見が期待できる」と話した。

市民公開講座で講演

渕﨑部長は5月17日に石川県七尾市のフォーラム七尾で開かれる市民公開講座(北國新聞社、ラジオななお・かなざわなど後援)でカプセル内視鏡を紹介する。大腸や肝臓、胃、胆のう、すい臓などに関する講演もある。



小腸は「暗黒大陸の臓器」

2007年

人間の臓器は、さまざまな別称で呼ばれている。「沈黙の臓器」とは肝臓、「暗黒の臓器」とは膵臓(すいぞう)、そして、「暗黒大陸」と呼ばれているのが小腸である。

消化管の病気は、その壁の最も内腔(ないくう)側の粘膜から生じることが多いという。その場合、検査に最も威力を発揮するのが、内腔に直接入って見ることができる内視鏡だ。ところが、小腸には内視鏡が届かず、ほとんど直接見られない臓器だった。だから、「暗黒大陸」といわれてきた。

「ダブルバルーン内視鏡」は、暗黒大陸といわれる小腸に入り込み、治療まで行って来るという画期的な内視鏡である。薬を飲むような感覚でカプセルを飲むと、小腸内を写し出してくる「カプセル内視鏡」と、治療もできるダブルバルーン内視鏡の登場でそれまで「病気が少ない」といわれてきた小腸にも、意外に病気のあるのが分かってきた。