クローン病ってどんな病気?

クローン病の特徴

  • クローン病は主に若い人に好発する病気です。
  • 口から肛門まで、全消化管に炎症性の潰瘍などの病変ができます。
  • 現在のところ原因不明のため根治療法はまだ確立されていませんので、慢性に寛解と再燃を繰り返し、継続的な治療を必要とします。
  • 人に感染したり遺伝する病気ではありません。

病変

  • 腸の縦の方向に「縦走潰瘍」ができたり、腸の粘膜に敷石を敷いたようにみえる潰瘍(「敷石状病変」)や、連続性がなく飛び飛びの潰瘍が現れるのが特徴です。
  • 炎症が持続することで、腸管の内側が狭くなる「狭窄」が現れることもあります。
  • 潰瘍性大腸炎と異なり、腸管の全層に潰瘍は深く進みますので腸と、腸・皮膚・膀胱・膣などとの間にろう孔ができることもあります。
  • 縦走潰瘍

  • 敷石状病変

  • 狭窄

症状

  • 主な症状としては腹痛、下痢、全身倦怠感、下血、発熱、肛門病変(痔ろう・裂肛など)、腹部腫瘤、栄養障害、貧血などがあります。症状は病変部位(小腸型、小腸・大腸型、大腸型)によって異なる場合があります。また、結節性紅斑や関節炎など消化管外合併症が出現することもあります。
  • 小腸型

    小腸型

  • 小腸・大腸型

    小腸・大腸型

  • 大腸型

    大腸型

診断のポイント

  1. 腸粘膜に、クローン病特有の縦走潰瘍などがみられます。
  2. 組織を取って調べた時に、炎症性の細胞の集まりである非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫があると、クローン病に特異的な所見となります。
  3. 主な自覚症状は腹痛・下痢・全身倦怠感です。
  4. 3の症状は他の疾患でもみられますので、クローン病が疑われる場合には血液検査・消化管X線造影検査・内視鏡検査など各種の検査を行い、総合的に診断します。

経過・予後

  • クローン病の年度別患者数の推移
  • 日本におけるクローン病患者数は年々増加していますが、最近の治療法の進歩により、生命予後は短期的にも中長期的にも良好です。クローン病を原因とする合併症による敗血症や、病変部位のガン化などで死亡するケースもみられますが、死亡率は一般の方と大きく変わりありません。
  • 手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と報告されています(厚労省研究班の内科9施設の集計による累積手術率)。
  • 良くなったり(「寛解」)、悪くなったり(「再燃」)を繰り返しながらも、適切な服薬や検査によって長期寛解を保つケースが多くなっているようです。ここ数年は新薬の登場によって、寛解を長く維持して学校生活や就労、結婚などの社会生活を普通の人と変わりなく送ることができる患者さんも増えています。