クローン病生活 Q&A

食事

クローン病の患者さんは食事制限が必要ですか?
発病の理由がまだわかっていない病気ですが、再燃に食べ物の影響もあると考えられています。一般的には「低脂肪・高エネルギー、低残渣、高ビタミン・ミネラル」なものが比較的安全とされる食品といわれていますが、どの患者さんにも共通する「食べて良い食品」「食べてはいけない食品」はありません。動物性脂肪を避け、脂質は1日30g以下にする、水分に溶けない「不溶性食物繊維」を避けることは推奨されています。ご自身の病態に影響しやすい食品を日頃からみつけ、症状を安定させるようにしましょう。
  食 品 理 由
比較的安全とされる食品 米、もち、うどんなど 高エネルギー食のため、炭水化物を1日に必要なエネルギー量の60%を摂ることが望ましいとされています
α-リノレン酸系の油 抗炎症作用があるといわれます(例:えごま油、しそ油)
りんご、桃、バナナ 水溶性食物繊維は、便の形状を整えます(狭窄のある方はご注意下さい)
避けた方が良いとされる食品 牛・豚・バター・ラード 鶏を除き動物性の脂肪は下痢を誘発しやすく、再燃の引き金といわれています
きのこ、ごぼう、もやし 非水溶性食物繊維は、腸粘膜を刺激したり、腸管につまりやすくなります
ごま・ピーナツ 種実類は脂質が多く、繊維が固い食品です

食品成分データベース

文部科学省の研究により、食品成分に関するデータベースを体系的に整理したものです。食品名を入力して検索すれば、エネルギーや脂質の量がわかります。食事日記やレシピの参考にしてみて下さい。

就労・進学

大学進学を考えていますが、病気を持っていると進路が狭まりませんか?
受験勉強のストレスなどがあるかと思いますが、近年のクローン病治療は大きく進歩し、大学や専門学校に進まれる患者さんも多数います。希望を持って自分の進路を考えていただくとともに、現実的には病状によって身体に負担のない就職のための学部選びが必要になる方もいるでしょう。
クローン病でも働くことができますか?
クローン病といっても、病状は人によってさまざまです。まずきちんとした診療を継続することが働くための大前提であることを理解しましょう。その上で、各々の患者さんの病状に応じた仕事内容への配慮が必要になります。一般的には、治療の継続が困難になるような職場や夜勤、当直が多い職種は、できれば避けたほうがいいでしょう。しかし、適切な治療を継続すれば働くことのできる場合が多いですので、希望を持って下さい。
身体障害者手帳を持っていると就職しやすいと聞きましたが、どうなのですか?
身体障害者手帳を取得している患者さんは、法定雇用率によって定められた、一定規模以上の企業の事業主が雇用しなければならない身体障害者に算入されるため、障害者を採用したい企業が募集する際に応募することができます。
クローン病で身体障害者手帳を取得できる可能性があるのは『内部障害者』の障害等級に該当する方です。認定には定められた基準があり、手術や栄養療法、人工肛門の有無などが関与するため、身体障害者手帳を認定する指定医が申請書類を客観的に作成し、等級を含め、自治体が認定を判断します。

医療費と福祉制度

クローン病の患者さんにはどんな社会福祉制度がありますか?

特定疾患医療受給者証

クローン病は厚生労働省の「特定疾患治療研究事業」に該当する病気ですので、保健所に書類申請すれば、都道府県の認定審査会で決定が下されます。その後患者さんのもとに『特定疾患医療受給者』『軽快者』『重症者』『非該当』の通知が届きます。『 特定疾患医療受給者』となった場合は決められた自己負担限度額を上回った医療費について助成されます。著しい障害があり『重症認定』を受けた場合、医療費の自己負担はありません。

障害年金

身体障害者手帳と障害年金は連動しているものではありません。障害者手帳を交付されていても年金を受給していない方もいます。 
障害年金は、障害者手帳のような明確な基準はなく、診断書を書く際に指定医がいません。主治医が書いた診断書と、患者さんが記入する病歴などの書類を合わせて審査されます。 障害年金は、初診日に加入していた年金によって申請窓口も変わってきます。

傷病手当金

勤務先の健康保険に加入している方が対象となる制度で、病気により労働が困難な場合、休んでいる期間に、給料の6割程度が支給されます。 
申請方法は、勤務先の社会保険の担当者か、その住所地を管轄する社会保険事務所または、健康保険組合で申請書類をもらい、必要書類や診断書とともに提出します。

検査

検査はなぜ受けなければいけないのですか?
検査は病気の確定診断を得るためと、病状の評価・治療効果の判定をするためなどに行われます。例えば、現在受けている治療を継続するか、中止あるいは変更するかなどを判断する際の重要な客観的材料になります。
自覚症状だけでは病状の悪化が正確につかめないことも多々あるため、客観的な検査が大切になってきます。
検査はどのくらいの頻度で受ける必要がありますか?
患者さんの病状、検査の内容によりさまざまなので、一概には言えません。一般的には、確定診断時や病状の悪い時は頻度が増えます。場合によっては、年に複数回、同じ検査を受ける必要がある場合もあります。主治医とよく相談し、検査の意義を理解して、前向きに検査を受けることが大切でしょう。
会社を休めないので検査を受けにくいのですが、どうしたらいいでしょうか?
検査の必要性は上述の通りです。症状が悪くなれば仕事ができなくなります。あらかじめ主治医と日程を調整して有給休暇を使うなど、工夫と努力が必要です。検査内容によって必要な検査時間はさまざまです。カプセル内視鏡検査では、検査中、通常生活を送ることができますが、8〜12時間程度かかります。
大腸内視鏡検査の前処置の下剤が苦痛です
独特のにおいや味がありますから、通常1〜2リットルも飲むことは大変でしょう。しかし腸内に便や食物残渣が残っていると良い画像が得られません。精度が高い検査を受けるために腸管内をきれいにする必要があることをご理解下さい(カプセル内視鏡による小腸検査の場合、前処置は基本的に不要ですが、検査施設にご確認下さい)。